なぜなぞ相場

むずかしい値動きを、やさしい言葉で。

2026年8月25日号

Today's Market

日経平均、3営業日ぶり反発で6万5,856円 ― 朝は2週ぶり6万5,000円割れも内需株が下支え、キオクシア・SBGはなお安値圏

3行まとめ

  • 25日の東京市場で日経平均株価は前日比328円34銭(0.50%)高の6万5,856円43銭で取引を終え、3営業日ぶりに反発した。朝方は前日の米半導体株安を引き継いで一時900円超安となり、6万5,000円を約2週間ぶりに割り込む場面もあったが、後場にかけて内需株への買いが指数を押し上げた。
  • 指数は反発したものの、値がさの半導体・AI関連株は取り残された。キオクシアホールディングスは3.63%安の4万9,080円、ソフトバンクグループは5.33%安の4,975円と、いずれも安値圏での取引が続いている。
  • 米国では24日、マイクロンが5%超安となったのを筆頭に、ブロードコムやAMDが4%前後安、決算発表(26日)を控えるエヌビディア自身も3%程度下げるなど、半導体株が軒並み売られた。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.70%安となり、主要指数の中で最も大きく沈んだ。
日経平均
8/25 東証引け時点
65,856.43
前日比▲ +328.34円 (+0.50%)
TOPIX(ETF)
8/25 東証引け(概算)時点
418.75
前日比▲ +1.60円 (+0.38%)
S&P500
8/24 NY市場引け時点
7,652.86
前日比▼ -21.44 (-0.28%)
Nasdaq総合
8/24 NY市場引け時点
25,980.19
前日比▼ -198.68 (-0.76%)
NYダウ
8/24 NY市場引け時点
53,417.16
前日比▲ +140.15 (+0.26%)
ドル円
8/25 15:00時点
159.10
前日比▲ +0.21円 (+0.13%)
VIX恐怖指数
8/24 NY市場引け時点
15.94
前日比▲ +0.81 (+5.36%)
米10年金利
8/24 NY市場引け時点
4.72%
前日比▼ -0.02% (-0.42%)
金価格(NY金)
8/24 NY市場引け時点
4,697.40ドル
前日比▲ +16.80ドル (+0.36%)
SOX半導体指数
8/24 NY市場引け(概算)時点
11,627.35
前日比▼ -322.65 (-2.70%)
原油(WTI)
8/24 NY市場引け時点
85.22ドル
前日比▼ -1.84ドル (-2.11%)
ビットコイン
8/25 早朝(JST)時点
78,868.69ドル
前日比▲ +1,467.18ドル (+1.90%)

JP日本市場:朝安・後高の逆転劇、内需株が「半導体総崩れ」を吸収

25日の東京株式市場は、前日の米半導体株安を丸ごと引き継ぐ格好で始まった。日経平均は前日比332円83銭安の6万5,195円26銭で寄り付いた後も下げ幅を広げ、一時900円を超える下落となる場面があった。午前9時すぎには一時6万4,600円台まで沈み、取引時間中としては8月7日以来、約2週間ぶりに6万5,000円の大台を割り込んだ。アドバンテストや東京エレクトロンといった値がさの半導体・AI関連株が軒並み売られ、指数を強く押し下げた格好だ。

潮目が変わったのは後場に入ってからだ。値ごろ感からの押し目買いに加え、半導体株比率の高い韓国総合株価指数(KOSPI)や台湾加権指数が午後に上昇へ転じたことで、アジア株全般に安心感が広がった。東京市場でも製薬や鉄道といった内需関連銘柄に買いが入り、指数を押し上げる格好となった。結局、日経平均は前日比328円34銭(0.50%)高の6万5,856円43銭で取引を終え、3営業日ぶりの反発となった。

ただし、朝の下げを主導した銘柄がそのまま値を戻したわけではない。キオクシアホールディングスは3.63%安の4万9,080円と続落し、8月12日以来およそ2週間ぶりの安値を付けた。ソフトバンクグループも5.33%安の4,975円と大きく値を下げている。指数だけを見れば「反発」だが、値動きの主役は前日までの半導体・AI株から、内需・ディフェンシブ株へと明確に入れ替わった一日だったと言える。

GLOBAL海外要因:エヌビディア決算(26日)前夜、半導体株だけが総崩れ

24日の米国市場は、指数ごとの明暗がくっきり分かれた。S&P500は前週末比0.28%安の7,652.86、ナスダック総合は0.76%安の25,980.19と続落した一方、NYダウは140.15ドル(0.26%)高の5万3,417.16ドルと逆行高となった。この差を生んだのが半導体セクターの独歩安で、主要半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.70%安と、主要指数の中で突出して大きく下げている。

個別では、マイクロン・テクノロジーが5%超下落した。米政権が中国のCXMTやYMTCからアップル向けにメモリーを調達することを容認したと伝わり、需給引き締めシナリオが後退したことに加え、ネットリストとの特許訴訟の激化も重荷となった。ブロードコムとAMDもそろって4%前後安、そして26日に決算発表を控える主役のエヌビディア自身も3%程度下げた。決算前に「材料出尽くし」を先回りする持ち高調整が広がっているとみるのが自然だろう。

この日はもう一つ、財務省のベッセント長官が対イラン制裁強化策「オペレーション・エコノミック・アウトキャスト」を発表したことも材料視された。原油市場への影響は明確で、WTI原油は2.11%安の1バレル85.22ドルまで下落した一方、株式市場全体への波及は限定的で、VIX恐怖指数は5.36%上昇の15.94にとどまった。半導体株の調整は、地政学リスクというより、決算を控えたポジション調整という色彩が濃い一日だった。

24H為替・商品:ビットコインは約113日ぶりに8万ドル台に乗せる場面も

ドル円は159円台前半でこう着した。対イラン制裁を巡る地政学リスクが意識される一方、日米の株価が振れる中でも極端な方向感は出ず、158円台後半から159円台前半のレンジ内での取引が続いている。

ビットコインは24日、約113日ぶりに節目の8万ドルを突破した後、7万8,000ドル台後半まで反落し、25日早朝時点では7万8,868ドル前後で推移している。株式市場で半導体株が売られる中でも、暗号資産には買いが入りやすい地合いが続いているようだ。NY金は0.36%高の1オンス4,697.40ドルと堅調で、株安局面での質への逃避先として存在感を保っている。

日本 日経225構成銘柄より

285A キオクシアホールディングス
-3.63%

24日の米半導体株安(SOX指数2.70%安)を引き継いだ売りが継続。8月12日以来およそ2週間ぶりの安値で、月間ベースでも値を崩す局面が続いている。

9984 ソフトバンクグループ
-5.33%

AI・半導体株全般への高値警戒に加え、26日に決算発表を控えるエヌビディアを前にした持ち高調整で売られた。指数が反発する中でも値を戻せなかった銘柄の一つ。

米国 S&P500構成銘柄より

MU マイクロン・テクノロジー
-5.80%

米政権が中国メーカー(CXMT・YMTC)からアップル向けメモリー調達を容認したと伝わり、需給引き締めシナリオが後退。ネットリストとの特許訴訟の激化も重荷になった。

AVGO ブロードコム
-4.00%

個別の悪材料は乏しいものの、半導体セクター全体の売りに連れ安。26日のエヌビディア決算を控えたリスク回避の一環とみられる。

AMD AMD
-3.90%

ブロードコムと同様、決算発表を前にした半導体セクター全体への持ち高調整で売られた。

NVDA エヌビディア
-3.00%

自身の決算発表(26日)を控え、AI相場の主役自身にも「材料出尽くし」を先回りする持ち高調整の売りが出た。

きょうの用語解説

セクターローテーション――指数が上がっても、勝ち組銘柄が入れ替わる理由

セクターローテーションとは、市場全体に流れ込むお金が、ある業種・テーマから別の業種・テーマへと乗り換えていく動きのことを指す。相場全体の資金量が急に増えたり減ったりしなくても、「どこに向かうお金か」が変われば、指数の顔ぶれは大きく変わる。値上がりする銘柄と値下がりする銘柄が同時に存在するのは市場では当たり前のことだが、それが業種単位でまとまって起きると「ローテーション」と呼ばれる。

25日の東京市場はまさにその典型だった。半導体・AI関連株が朝から売られる一方で、製薬や鉄道といった内需・ディフェンシブ株には買いが入り、結果として日経平均は上昇して終えた。指数のプラスだけを見ると「今日は良い日だった」と映るが、値がさの半導体株を多く保有していた投資家にとっては、決してそうではない一日だったはずだ。指数の上げ下げと、自分が注目している個別銘柄の値動きは、必ずしも一致しない――このことを思い出させてくれる値動きだった。

きょうのなぞなぞクイズ

25日の日経平均は前日比プラスで取引を終えたが、キオクシアやソフトバンクグループのような値がさの半導体・AI関連株はそろって値下がりした。値上がりした業種と値下がりした業種がはっきり分かれ、資金の向かう先が入れ替わるこうした動きを一般に何と呼ぶ?