むずかしい値動きを、やさしい言葉で。
Today's Market
Market Snapshot — 主要指標
25日の東京株式市場は、前日の米半導体株安を丸ごと引き継ぐ格好で始まった。日経平均は前日比332円83銭安の6万5,195円26銭で寄り付いた後も下げ幅を広げ、一時900円を超える下落となる場面があった。午前9時すぎには一時6万4,600円台まで沈み、取引時間中としては8月7日以来、約2週間ぶりに6万5,000円の大台を割り込んだ。アドバンテストや東京エレクトロンといった値がさの半導体・AI関連株が軒並み売られ、指数を強く押し下げた格好だ。
潮目が変わったのは後場に入ってからだ。値ごろ感からの押し目買いに加え、半導体株比率の高い韓国総合株価指数(KOSPI)や台湾加権指数が午後に上昇へ転じたことで、アジア株全般に安心感が広がった。東京市場でも製薬や鉄道といった内需関連銘柄に買いが入り、指数を押し上げる格好となった。結局、日経平均は前日比328円34銭(0.50%)高の6万5,856円43銭で取引を終え、3営業日ぶりの反発となった。
ただし、朝の下げを主導した銘柄がそのまま値を戻したわけではない。キオクシアホールディングスは3.63%安の4万9,080円と続落し、8月12日以来およそ2週間ぶりの安値を付けた。ソフトバンクグループも5.33%安の4,975円と大きく値を下げている。指数だけを見れば「反発」だが、値動きの主役は前日までの半導体・AI株から、内需・ディフェンシブ株へと明確に入れ替わった一日だったと言える。
24日の米国市場は、指数ごとの明暗がくっきり分かれた。S&P500は前週末比0.28%安の7,652.86、ナスダック総合は0.76%安の25,980.19と続落した一方、NYダウは140.15ドル(0.26%)高の5万3,417.16ドルと逆行高となった。この差を生んだのが半導体セクターの独歩安で、主要半導体株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.70%安と、主要指数の中で突出して大きく下げている。
個別では、マイクロン・テクノロジーが5%超下落した。米政権が中国のCXMTやYMTCからアップル向けにメモリーを調達することを容認したと伝わり、需給引き締めシナリオが後退したことに加え、ネットリストとの特許訴訟の激化も重荷となった。ブロードコムとAMDもそろって4%前後安、そして26日に決算発表を控える主役のエヌビディア自身も3%程度下げた。決算前に「材料出尽くし」を先回りする持ち高調整が広がっているとみるのが自然だろう。
この日はもう一つ、財務省のベッセント長官が対イラン制裁強化策「オペレーション・エコノミック・アウトキャスト」を発表したことも材料視された。原油市場への影響は明確で、WTI原油は2.11%安の1バレル85.22ドルまで下落した一方、株式市場全体への波及は限定的で、VIX恐怖指数は5.36%上昇の15.94にとどまった。半導体株の調整は、地政学リスクというより、決算を控えたポジション調整という色彩が濃い一日だった。
ドル円は159円台前半でこう着した。対イラン制裁を巡る地政学リスクが意識される一方、日米の株価が振れる中でも極端な方向感は出ず、158円台後半から159円台前半のレンジ内での取引が続いている。
ビットコインは24日、約113日ぶりに節目の8万ドルを突破した後、7万8,000ドル台後半まで反落し、25日早朝時点では7万8,868ドル前後で推移している。株式市場で半導体株が売られる中でも、暗号資産には買いが入りやすい地合いが続いているようだ。NY金は0.36%高の1オンス4,697.40ドルと堅調で、株安局面での質への逃避先として存在感を保っている。
Movers — きょう大きく動いた銘柄・資産
24日の米半導体株安(SOX指数2.70%安)を引き継いだ売りが継続。8月12日以来およそ2週間ぶりの安値で、月間ベースでも値を崩す局面が続いている。
AI・半導体株全般への高値警戒に加え、26日に決算発表を控えるエヌビディアを前にした持ち高調整で売られた。指数が反発する中でも値を戻せなかった銘柄の一つ。
米政権が中国メーカー(CXMT・YMTC)からアップル向けメモリー調達を容認したと伝わり、需給引き締めシナリオが後退。ネットリストとの特許訴訟の激化も重荷になった。
個別の悪材料は乏しいものの、半導体セクター全体の売りに連れ安。26日のエヌビディア決算を控えたリスク回避の一環とみられる。
ブロードコムと同様、決算発表を前にした半導体セクター全体への持ち高調整で売られた。
自身の決算発表(26日)を控え、AI相場の主役自身にも「材料出尽くし」を先回りする持ち高調整の売りが出た。
きょうの用語解説
セクターローテーションとは、市場全体に流れ込むお金が、ある業種・テーマから別の業種・テーマへと乗り換えていく動きのことを指す。相場全体の資金量が急に増えたり減ったりしなくても、「どこに向かうお金か」が変われば、指数の顔ぶれは大きく変わる。値上がりする銘柄と値下がりする銘柄が同時に存在するのは市場では当たり前のことだが、それが業種単位でまとまって起きると「ローテーション」と呼ばれる。
25日の東京市場はまさにその典型だった。半導体・AI関連株が朝から売られる一方で、製薬や鉄道といった内需・ディフェンシブ株には買いが入り、結果として日経平均は上昇して終えた。指数のプラスだけを見ると「今日は良い日だった」と映るが、値がさの半導体株を多く保有していた投資家にとっては、決してそうではない一日だったはずだ。指数の上げ下げと、自分が注目している個別銘柄の値動きは、必ずしも一致しない――このことを思い出させてくれる値動きだった。
きょうのなぞなぞクイズ