なぜなぞ相場

むずかしい値動きを、やさしい言葉で。

2026年8月23日号

Today's Market

ビットコイン、週末も7万7000ドル前後の高値圏を維持 ― 来週はイラン制裁・エヌビディア決算・新FRB議長の初講演が試金石に

3行まとめ

  • 23日は日米とも株式市場が休場(週末)。ただしビットコインは金曜の急騰(財務省の長期国債買い戻し拡大表明と暗号資産法制化への期待)で付けた7万7000ドル台を土曜・日曜とほぼ維持し、大きな押し目は入っていない。イーサリアムも2,400ドル台前半で高止まりし、週間では3割近い上昇となった。
  • 金価格・原油(WTI)は金曜のニューヨーク市場を最後に取引が止まっており、週末は事実上の凍結状態。ドル円も158円台後半〜159円台のレンジ内で小動きにとどまり、材料難の週末らしい静けさが漂う。
  • 来週は24日のイラン新制裁発表、26日のエヌビディア決算、28日には就任後初めてジャクソンホール会議で講演する新FRB議長ウォッシュ氏の発言が焦点。タカ派色の強いメッセージが出れば、財政懸念や国債買い戻しといった『緩和的な材料』で買われてきた金・ビットコインの週末の底堅さが、週明け以降に試される可能性がある。
日経平均
8/21 東証引け(週末休場)時点
65,450.00
前日比▲ +0.00円 (+0.00%)
TOPIX(ETF)
8/21 東証引け(週末休場)時点
419.50
前日比▲ +0.00円 (+0.00%)
S&P500
8/21 NY市場引け時点
7,674.37
前日比▲ +33.21 (+0.43%)
Nasdaq総合
8/21 NY市場引け時点
26,180.45
前日比▲ +113.28 (+0.43%)
NYダウ
8/21 NY市場引け時点
53,277.01
前日比▲ +517.80 (+0.98%)
ドル円
8/23 15:00時点
158.90
前日比▼ -0.05円 (-0.03%)
VIX恐怖指数
8/21 NY市場引け時点
15.13
前日比▼ -0.88 (-5.50%)
米10年金利
8/21 NY市場引け時点
4.71%
前日比▲ +0.02% (+0.43%)
金価格(NY金)
8/21 NY市場引け(週末は取引なし)時点
4,540.00ドル
前日比▲ +0.00ドル (+0.00%)
SOX半導体指数
8/21 NY市場引け(概算)時点
11,950.00
前日比▲ +151.70 (+1.29%)
原油(WTI)
8/21 NY市場引け(週末は取引なし)時点
86.64ドル
前日比▲ +0.00ドル (+0.00%)
ビットコイン
8/23 15:00時点
76,900.00ドル
前日比▼ -800.00ドル (-1.03%)

24H週末のビットコイン:急騰後の“高値定着”を確認中

日米の株式市場が休場となる週末でも、ビットコインだけは休まず値を刻んでいる。金曜のニューヨーク市場でベッセント財務長官が長期国債の買い戻し規模を1回あたり40億ドル超へ倍増すると表明し、あわせて暗号資産の規制明確化への期待も高まったことから、ビットコインは週内で2割を超える急騰を演じた。土曜以降はさすがに上昇が一服し、7万7000ドル前後で値固めする展開が続いている。急騰の反動でずるずる値を戻すような崩れ方ではなく、高値圏でこう着しているのが今のところの特徴だ。

イーサリアムも似た値動きをたどっている。金曜に付けた2,430ドル台からほとんど変わらず、2,400ドル台前半を保ったまま週末を迎えた。週間では月曜の1,800ドル近辺から3割近く上昇した計算になる。米国のイーサリアムETFに20日だけで2億2000万ドル超という10月以来最大級の資金が流入したことが、下支えになっているとみられる。

24H金・原油・ドル円は「凍結」中の静けさ

金価格とWTI原油は、いずれも金曜のニューヨーク市場を最後に取引が止まっており、週末は事実上凍結状態にある。金は1トロイオンス4,540ドル前後と、米国債務が40兆ドルの大台に乗ったことへの懸念を映して高値圏を保ったまま動いていない。原油もイラン情勢の緊迫を受けて2週連続の週間上昇を記録した水準からほぼ変わらず。ドル円は158円台後半から159円台のレンジ内でこう着しており、日米とも材料難の週末らしい静けさが漂う。

WEEK来週の3つの試金石:イラン制裁・エヌビディア決算・新FRB議長の初講演

むしろ注目すべきは、この週末の静けさが来週にかけて一気に材料出しへと変わりそうな点だ。まず24日(月)には、トランプ政権がイランに対する新たな経済制裁を発表する見通し。内容次第では原油価格が跳ね、比較的落ち着いていた地政学リスクのプレミアムが再拡大しかねない。26日(水)にはAI半導体大手のエヌビディアが四半期決算を発表する。市場予想は売上高約920億ドル、調整後EPS2.09ドルとすでに強気の水準まで織り込まれており、単なる「予想超え」では足りず、次四半期の見通しの強さが焦点になりそうだ。

そして最大の山場は28日(金)、就任後初めてジャクソンホール会議で講演する新FRB議長ウォッシュ氏の発言だろう。同氏はこれまで「金融政策のレジームチェンジ」を掲げ、インフレが目標を上回る状態が長引きすぎたとタカ派色の強い発言を繰り返してきた。ここではっきりとした引き締め方向のメッセージが出れば、財政懸念や国債買い戻しといった「緩和的な材料」で買われてきた金やビットコインの週末の底堅さが、週明け以降に試される場面もありうる。

為替・商品・暗号資産 24時間動く主要資産より

BTC-USD ビットコイン
-1.03%

金曜の急伸(財務省の国債買い戻し拡大表明+暗号資産法制化期待)から一服。週足では2割超の上昇を維持しており、押し目は限定的。

ETH-USD イーサリアム
-0.20%

週間で3割近い上昇となったビットコインに追随。ETF資金流入も高水準を維持しており、金曜高値からの下げは小幅にとどまる。

きょうの用語解説

ジャクソンホール会議 ― なぜFRB議長の夏休みの講演が株価を動かすのか

ジャクソンホール会議(Jackson Hole Economic Symposium)は、米カンザスシティ連銀が毎年8月にワイオミング州の避暑地ジャクソンホールで開く経済シンポジウムだ。世界中の中央銀行総裁や著名エコノミストが集まるが、正式な政策決定の場ではない。それでも市場が神経をとがらせるのは、ここでのFRB議長の講演が、その後の金融政策の方向性を先取りして示すことが多いからだ。過去には利上げ・利下げへの転換を示唆する一言で、株価や為替が短時間に大きく動いた例が繰り返されてきた。

今年の焦点は、5月に就任したばかりの新FRB議長ウォッシュ氏が、この場で初めて講演する点にある。同氏は就任以来「金融政策のレジームチェンジ」を掲げ、インフレが目標を上回る状態が長引きすぎたとの立場を鮮明にしてきた。この週末に高値圏を保っているビットコインや金は、どちらかといえば「金利が下がりやすい・お金が世の中に出回りやすい」局面で買われやすい資産。もし28日の講演でタカ派色の強いメッセージが確認されれば、週末の落ち着いた地合いが週明け以降に一変する可能性もある、という構図だ。

きょうのなぞなぞクイズ

毎年8月にワイオミング州で開かれ、各国中央銀行総裁や有力エコノミストが集う経済シンポジウムを何という? その年のFRB議長の講演内容が株式市場を大きく動かすことで知られる。