むずかしい値動きを、やさしい言葉で。
Today's Market
Market Snapshot — 主要指標
日米の株式市場が休場となる週末でも、ビットコインだけは休まず値を刻んでいる。金曜のニューヨーク市場でベッセント財務長官が長期国債の買い戻し規模を1回あたり40億ドル超へ倍増すると表明し、あわせて暗号資産の規制明確化への期待も高まったことから、ビットコインは週内で2割を超える急騰を演じた。土曜以降はさすがに上昇が一服し、7万7000ドル前後で値固めする展開が続いている。急騰の反動でずるずる値を戻すような崩れ方ではなく、高値圏でこう着しているのが今のところの特徴だ。
イーサリアムも似た値動きをたどっている。金曜に付けた2,430ドル台からほとんど変わらず、2,400ドル台前半を保ったまま週末を迎えた。週間では月曜の1,800ドル近辺から3割近く上昇した計算になる。米国のイーサリアムETFに20日だけで2億2000万ドル超という10月以来最大級の資金が流入したことが、下支えになっているとみられる。
金価格とWTI原油は、いずれも金曜のニューヨーク市場を最後に取引が止まっており、週末は事実上凍結状態にある。金は1トロイオンス4,540ドル前後と、米国債務が40兆ドルの大台に乗ったことへの懸念を映して高値圏を保ったまま動いていない。原油もイラン情勢の緊迫を受けて2週連続の週間上昇を記録した水準からほぼ変わらず。ドル円は158円台後半から159円台のレンジ内でこう着しており、日米とも材料難の週末らしい静けさが漂う。
むしろ注目すべきは、この週末の静けさが来週にかけて一気に材料出しへと変わりそうな点だ。まず24日(月)には、トランプ政権がイランに対する新たな経済制裁を発表する見通し。内容次第では原油価格が跳ね、比較的落ち着いていた地政学リスクのプレミアムが再拡大しかねない。26日(水)にはAI半導体大手のエヌビディアが四半期決算を発表する。市場予想は売上高約920億ドル、調整後EPS2.09ドルとすでに強気の水準まで織り込まれており、単なる「予想超え」では足りず、次四半期の見通しの強さが焦点になりそうだ。
そして最大の山場は28日(金)、就任後初めてジャクソンホール会議で講演する新FRB議長ウォッシュ氏の発言だろう。同氏はこれまで「金融政策のレジームチェンジ」を掲げ、インフレが目標を上回る状態が長引きすぎたとタカ派色の強い発言を繰り返してきた。ここではっきりとした引き締め方向のメッセージが出れば、財政懸念や国債買い戻しといった「緩和的な材料」で買われてきた金やビットコインの週末の底堅さが、週明け以降に試される場面もありうる。
Movers — きょう大きく動いた銘柄・資産
金曜の急伸(財務省の国債買い戻し拡大表明+暗号資産法制化期待)から一服。週足では2割超の上昇を維持しており、押し目は限定的。
週間で3割近い上昇となったビットコインに追随。ETF資金流入も高水準を維持しており、金曜高値からの下げは小幅にとどまる。
きょうの用語解説
ジャクソンホール会議(Jackson Hole Economic Symposium)は、米カンザスシティ連銀が毎年8月にワイオミング州の避暑地ジャクソンホールで開く経済シンポジウムだ。世界中の中央銀行総裁や著名エコノミストが集まるが、正式な政策決定の場ではない。それでも市場が神経をとがらせるのは、ここでのFRB議長の講演が、その後の金融政策の方向性を先取りして示すことが多いからだ。過去には利上げ・利下げへの転換を示唆する一言で、株価や為替が短時間に大きく動いた例が繰り返されてきた。
今年の焦点は、5月に就任したばかりの新FRB議長ウォッシュ氏が、この場で初めて講演する点にある。同氏は就任以来「金融政策のレジームチェンジ」を掲げ、インフレが目標を上回る状態が長引きすぎたとの立場を鮮明にしてきた。この週末に高値圏を保っているビットコインや金は、どちらかといえば「金利が下がりやすい・お金が世の中に出回りやすい」局面で買われやすい資産。もし28日の講演でタカ派色の強いメッセージが確認されれば、週末の落ち着いた地合いが週明け以降に一変する可能性もある、という構図だ。
きょうのなぞなぞクイズ