むずかしい値動きを、やさしい言葉で。
Today's Market
Market Snapshot — 主要指標
日経平均は前日比784円53銭高の68,308円59銭で取引を終え、3営業日ぶりに反発しました。前2日間の大幅安の反動に加え、米財務省が19日、長期国債の買い入れ消却(バイバック)の規模を「少なくとも2倍」に拡大すると発表したことが好感されました。国債の買い入れが増えると市場に出回る国債の量が減り、価格が上がりやすくなる(=利回りが下がりやすくなる)ため、長期金利の低下観測が急速に強まりました。
とりわけ買い戻しが目立ったのが、AI関連企業への巨額出資で借入負担が重いとされてきたソフトバンクグループです。長期金利が下がれば利払い負担への懸念が和らぐため、前日に大きく売られた反動もあって株価は切り返しました。半導体メモリーのキオクシアホールディングスも、韓国SKハイニックスの株価急伸を受けた思惑買いで上昇。前日に「電線御三家」として大きく売られたフジクラにも買い戻しが入りました。
為替市場では、長期金利低下によるドル売りが優勢となり、1ドル=158円台前半までドル安・円高が進みました。円高は輸出企業にはマイナス材料になりやすいものの、前日までに「売られすぎ」感のあった内需・自動車株には値ごろ感からの買いが入る場面もみられました。
前日の米国市場では、米財務省による国債バイバック拡大の発表を受けて長期金利が急低下し、S&P500は+0.21%、ナスダック総合は+0.16%、NYダウは+0.22%とそろって上昇。3営業日続いていた下落基調に一旦歯止めがかかりました。米10年国債利回りは4.6%台まで低下し、前日まで警戒されていた「AI関連の設備投資が金利上昇に耐えられるか」という懸念がひとまず和らいだ形です。半導体関連は個別に強弱まちまちで、SOX指数はやや軟調に推移しました。
個別銘柄では、製薬のモデルナが皮膚がん(メラノーマ)治療薬候補の第3相臨床試験で良好な結果が出たと発表し、株価が一時177%も急騰しました。マクロの地合いとは別に、個別の治験データひとつで株価が数倍になる、バイオ関連株らしい値動きとして注目を集めました。
Movers — きょう大きく動いた銘柄・資産
長期金利の低下で借入コスト・利払い負担への懸念が後退。前日の大幅安からの反動買いも入った。
韓国SKハイニックスの株価急伸を受け、半導体メモリー市況改善への思惑買いが波及。
前日に「電線御三家」として大きく売られた反動で値ごろ感からの買い戻しが入った。
皮膚がん(メラノーマ)治療薬候補の第3相臨床試験で良好な結果を発表。
きょうの用語解説
「国債バイバック」とは、国(財務省)がすでに発行した国債を市場から買い戻す(消却する)ことです。市場に出回る国債の量が減るため需給が引き締まり、国債の価格が上がりやすくなります。債券は価格と利回り(金利)が逆に動くので、価格が上がる=長期金利は下がりやすくなる、という関係です。
似た言葉に、中央銀行が金融緩和のために国債を買う「量的緩和」がありますが、行う主体(財務省 vs 中央銀行)や目的(国債の発行残高・年限構成を管理する「国債管理政策」 vs 物価や景気を調整する「金融政策」)が異なる点に注意が必要です。今日のように長期金利が下がると、金利上昇に敏感な成長株やAI関連の重債務企業の株価が反発しやすくなります。
きょうのなぞなぞクイズ