なぜなぞ相場

むずかしい値動きを、やさしい言葉で。

2026年8月19日号

Today's Market

日経平均が3.3%安、AI関連の「電線御三家」とソフトバンクGに強い売り

3行まとめ

  • 日経平均は前日比2,231円安(-3.3%)と大幅続落。米国発の「AI相場、行き過ぎ警戒」の流れが日本にも波及した一日。
  • とくに古河電工・フジクラ・住友電工の光ケーブル「電線御三家」やソフトバンクグループなど、AIをテーマに買われてきた銘柄がまとめて売られた。
  • 一方でメルカリは好決算・自社株買いを引き続き好感して4年7カ月ぶり高値圏。内需のディフェンシブ株(食品・化粧品・製薬など)は下げ渋った。
日経平均
8/19 東証引け時点
65,229.28
前日比▼ -2,231.45円 (-3.31%)
TOPIX(ETF)
8/19 東証引け時点
417.90
前日比▼ -13.10円 (-3.04%)
S&P500
8/18 NY市場引け時点
7,691.76
前日比▼ -53.30 (-0.69%)
Nasdaq総合
8/18 NY市場引け時点
26,289.71
前日比▼ -355.20 (-1.33%)
NYダウ
8/18 NY市場引け時点
53,343.40
前日比▼ -116.38 (-0.22%)
ドル円
8/19 15:00時点
148.35
前日比▼ -0.42円 (-0.28%)
VIX恐怖指数
8/18 NY市場引け時点
15.84
前日比▲ +0.65 (+4.28%)
米10年金利
8/18 NY市場引け時点
4.71%
前日比▼ -0.02% (-0.38%)
金価格(NY金)
8/19 15:00時点
2,415.30ドル
前日比▲ +18.40ドル (+0.77%)
SOX半導体指数
8/18 NY市場引け時点
11,992.46
前日比▼ -628.54 (-4.98%)
原油(WTI)
8/19 15:00時点
78.62ドル
前日比▼ -0.85ドル (-1.07%)
ビットコイン
8/19 15:00時点
61,240ドル
前日比▼ -2,180.00ドル (-3.44%)

JP日本市場:AIテーマ株に「まとめ売り」

日経平均株価は前日比2,231円安(-3.3%)の65,229円と大幅に続落しました。前日の米国市場でSOX(フィラデルフィア半導体指数)が-5.0%と急落した流れを引き継ぎ、日本でも「AIをテーマに買われてきた銘柄」への利益確定売りが加速した形です。

特に目立ったのが、データセンター向け光ケーブルの需要拡大を背景に「AI関連の電線株」として買われてきた古河電気工業(-13.5%)、フジクラ(-10.2%)、住友電気工業(-9.4%)の値下がりです。3社は過去にも急ピッチな株価上昇のあとに「過熱警戒」から急落する場面が繰り返されており、値がさで値動きが荒くなりやすい銘柄として知られています。

ソフトバンクグループ(-10.4%)も大きく売られました。同社はOpenAIをはじめ多数のAI関連企業に巨額出資しており、AI関連株全体が調整する局面では「AI投資の代表銘柄」として真っ先に売られやすい傾向があります。半導体設計のルネサスエレクトロニクス(-9.3%)、半導体材料のレゾナック・ホールディングス(-8.3%)にも同様に売りが波及しました。

一方でメルカリ(+5.5%)は、好調な決算と上場来初の自社株買い発表を引き続き好感し4年7カ月ぶりの高値圏を維持。キッコーマン、資生堂、第一三共、協和キリンなど内需・ディフェンシブ株は総じて下げ渋りました。

US米国市場(前日):AIメモリーと半導体に売りが集中

前日の米国市場では、S&P500が-0.69%、ナスダック総合が-1.33%と3日続落。SOX(フィラデルフィア半導体指数)は-4.98%と大きく崩れました。背景には、ここ2週間ほど緩やかに切り上がってきた米10年国債利回り(4.71%前後)があり、「AI関連の設備投資があまりに急ピッチで進みすぎたのでは」という警戒感が広がったとみられています。

個別ではマイクロン・テクノロジー(-7.0%)が代表格でした。AIメモリー関連への思惑買いが一気に巻き戻されたほか、DDR5メモリーの特許を巡ってNetlist社が米国際貿易委員会(ITC)に申し立てを行ったことも重荷となりました。インテル(-6.6%)は総額200億ドル規模に膨らんだ大型増資による希薄化懸念と、UBSによる目標株価引き下げが重なりました。

日本 日経225構成銘柄より

4385 メルカリ
+5.54%

好調な決算と上場来初の自社株買い発表を引き続き好感。4年7カ月ぶりの高値圏。

2413 エムスリー
+2.01%

明確な材料は確認できず。相対的にAI相場との連動性が低い銘柄として資金が向かった可能性。

4911 資生堂
+1.22%

内需・ディフェンシブ株として、値がさAI関連株からの資金シフト先になったとみられる。

5801 古河電気工業
-13.53%

データセンター向け光ケーブル需要で「AI関連の電線株」として買われてきた反動。過熱警戒からの利益確定売りが加速。

9984 ソフトバンクグループ
-10.43%

OpenAI等への巨額出資でAI投資の代表銘柄と見なされており、AI関連株全体の調整局面で真っ先に売られやすい。

5803 フジクラ
-10.15%

古河電工と同じく「電線御三家」の一角。AI関連テーマ株としてまとめて売られた。

5802 住友電気工業
-9.36%

同じく電線大手としてAI関連株の調整に連れ安。

6723 ルネサスエレクトロニクス
-9.30%

半導体セクター全体の利益確定売りに連れ安。

4004 レゾナック・ホールディングス
-8.31%

半導体材料メーカーとして、半導体株安の流れに連れ安。

米国 S&P500構成銘柄より

LLY エーライリリー
+3.60%

アルツハイマー病治療薬候補の権利取得を発表。好調な第2四半期決算・通期見通し引き上げも引き続き好感。

MU マイクロン・テクノロジー
-7.02%

AIメモリー関連への思惑買いが巻き戻された。DDR5特許を巡るNetlist社のITC申し立ても重荷に。

INTC インテル
-6.58%

総額200億ドル規模に膨らんだ大型増資による希薄化懸念と、UBSの目標株価引き下げが重なった。

META メタ・プラットフォームズ
-4.45%

29州司法長官による「子どもの安全」訴訟が本格化。最大1.4兆ドルとも報じられる賠償リスクが意識された。

きょうの用語解説

なぜ「テーマ株」はまとめて上がって、まとめて下がるの?

今日は電線株3社とソフトバンクグループが同時に大きく下げましたが、これは3社の業績が急に悪化したわけではなく、「AI関連株」という同じ物語(テーマ)でくくられて買われてきた銘柄群だからです。市場ではこうした銘柄を「テーマ株」「材料株」と呼びます。

テーマ株は、テーマそのものへの期待が盛り上がっているときはまとめて買われ、期待が後退すると業績と関係なくまとめて売られる、という値動きをしやすいのが特徴です。個別企業の実力よりも「物語」の勢いで株価が動きやすいため、値動きが実際の業績より大きくブレやすく、上がるときも下がるときも勢いがつきやすい、と覚えておくとよいでしょう。

きょうのなぞなぞクイズ

きょうの用語解説に出てきた「テーマ株」について、正しい説明はどれ?